ちょっと前ですが27年4月1日より、住宅の省エネルギー基準が改正されました。
この改正の大きなポイントは、今まで大きな住宅以外の建物(オフィスビルなど)
でしか求められなかった設備エネルギーの消費基準が住宅にも適用されたとこ
ろです。そして平成32年(東京オリンピックの2020年)その基準を守ることが義務化
され、今までなかったある一定のエネ性能をもつ家しか建てられなくなります。
住宅ですと耐震性能に関する基準は大きな地震の度に改善され、当たり前のように
基準ありきで設計が進められるのですが、今回は建築基準法の歴史の中で初めて
住宅に義務としての省エネルギー基準が定められます。その省エネルギー基準です
が簡単に言うと、エネルギーを多く使う設備(効率の悪い設備)を入れた場合、基準
をクリアするのが難しく、エネルギー効率の良くない家(省エネが図られていない家)
としてみなされてしまいます。それとともに今まで通り断熱性能の高い家はエネルギー
を消費しにくい家として良しとされます。
この設備と断熱性能の2つを国交省の基準と照らし合わせ省エネルギー化が計られて
いるかを判断していきます。この省エネルギー基準の改正の背景はいうまでもまなく、
東北大震災の際の電力不足があり、この基準自体も太陽光発電などのパッシブエネル
ギーを推奨するものとなっています。
こういった世情のあらわれなのか、プリミティブな
暮らしを見直す動きが最近また増えていますね。テレビでも特集されている小屋の人気
もその一つでしょう。余計なものをそぎ落とし可能な限り小さなスペースにし、その代わり
場所(土地)を選ばないという手軽さがある。やっぱり主に若者の間でのムーブメントみた
いですが、実社会から少し距離を置きながら多少不便でも手軽に自分の望むライフスタイルを
経済的に手に入れることができるところが受けているみたいですね。
この小屋暮らしにもパイオニアが.それがタイトルのヘンリーソローという人です。
ソローはアメリカのマサチューセッツ州のウォールデン池畔に小さな小屋を立て、2年ほどの
自給自足の生活をし、そこでの記録を一冊の本にまとめした。(「ウォールデン森の生活」)
決して自給自足や自然と共に暮らすることを進めている訳ではなく、外側から実社会や文明を
客観的に見直すことで、豊かに働くことや、自由に生きることを説いた指南書のような本です。
150年前の本ですが、今でもその思想が多くの人に見直され影響を与えているようです。
小屋の面白さは、その見た目のかわいらしさと共に、慎ましくも自由な暮らしや生き方が見え
てくるところにあるのかなと思います。暮らしから省エネルギー。まさにソロー思想が形になった
ようですね