埼玉県北部の北本市の新築住宅は基本設計もほぼ終わっており、実施設計に進むまえの概算見積の作成。こちらは着工までに比較的時間が取れそうなので設計に大幅な手戻りが出ないように、一度大まかな工事金額をとることになりました。業者さんにも設計を確認してもらいながらざっくりとした金額を出してみる。まとめてみるとなんとか今のプランに影響が出る事がなさそうな金額で一安心。
コストが落ちない時の最後の手段
仕上げや設備のグレードをちょっとずつ調整しながら予算に近づけることが、見積もり調整の一般的な方法ですが、新築住宅の場合、これでも、どうしても、やっぱり無理だ、予算に近づかないとなったとき、最終的に(本当に最終的)できる事は面積を減らすこと。
新築住宅の見積もりを見ればわかるのですが、仕上げも基礎も、構造体の多くは建物の面積ベースで材料が算出されており、大まかにいうと単価×面積が建物コストの大部分になります。単価(仕上げなどのグレード)の範囲内で調整が終わらなければ、後は面積を変えるしかなくなり、こうなるとプランの変更が余儀なくされます。
今回の北本の住宅は延べ面積15坪ほどの小住宅、プランのどこにも面積を減らせる余地がなく面積を減らすことはNGなので、恐る恐る見積もりを取りながら進めるているのです。
ちょっとネガティブな話になりましたが、予算とかかるコストを頭の片隅に入れながら設計を進めるのも設計士の重要な仕事で、やりたいと、出来るだろうだけで進めていると大きなしっぺ返しが待っている。まるで人生。私は何事もコツコツと慎重に進めたいのです。
建築デザインとコストのバランスの良い設計 西湘・大磯・二宮の工務店機能をもつ設計事務所
テノアト設計工舎 岸田壮史