この間ニュースで知ったのですが、日本人の音楽離れが深刻化し、実に7割の人が音楽にお金を
掛ないとのこと。音楽離れというよりも、ネットを通じ簡単に音楽が聞けたりと 、扱いが、お金の
かからない消耗品として扱われているかららしい。

今から20年位前、高校生の頃北浦和のディスクユニオンで見たこともないジャケットのレコードを
買っては失敗し、バイトで稼いだなけなしのお金を失うことを繰り返していたことを思い出すと、
今の時代がうらやましくもあり、少し寂しくも思います。

きっと「ジャケ買い」と言う言葉も死語に近づきつつあり、中身以上に、それを飾る写真やイラスト
に心を躍らされることもこの先なくなってしまうのだろう。

音楽性もさることながら、名盤としてのこるアルバムはそのジャケットも素晴らしく、
曲よりも、そのジャケットの絵が強烈に頭の中に残るものがとても多い。
ヒプノシスというデザイングループは、1970年代にレッドツェッペリンや ピンクフロイドの
カバージャケットを手掛け語り継がれる名作を残しました。

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牛が一頭青空の下にいるだけだったり、不気味な発電所の写真をそのままジャケットに使用
したりと、本人たちの「見るものに考えさせる」という押し付けの無責任なコンセプトをもっとも
らしく語るという高等テクニックで、一アーティストとして芸術を完成させたみたい。その時代の
音楽の前衛性ともピタリとはまるジャケットは今見ても十分魅力的。

手に取った人が見ているだけで面白く、ムフッと笑って、ちょっとだけ聞いてみたくなる、
その衝動が当時の音楽業界の一部を支えていたのだと思う。
音楽を大衆文化として考えた時に、昔は間違いなく大衆文化が経済を牽引していました。
その頃は文化と経済は絶妙なバランスお互いを支えあいながらも同時に発展しあう関係に
あったように思います音楽がビジネスとして成熟しすぎ、その上情報がほぼ無料化する中、
その均衡が崩れ一つの文化が消えてなくなる危機にあるのが残念ながら今なのでしょう。