先日は団地リノベーションの下見に二宮の百合ヶ丘団地まで。
そのあとは藤沢のリノベーション計画のプランを進める。
更新が途絶えているのだけど進捗に合わせこちらで報告します!
そして合間にタイトルの最近読んだセルフビルド・DIYの本について。
「Made by Hans 〜ポンコツDIYで自分を取り戻す〜」 便利で不自由しない文明社会
からちょっとだけ離れて主人公の立てた目標を達成していくものがたり。その目標が
・自分の人生はできるだけ自分で決める。
・現代社会の馬鹿げたカオスを抜け出して、素朴で直感的で明快な生き方を探す
・周囲の世界ともっと密接に、もっと実りある形で関係を深める。
この大層な目標をDIY・セルフビルドで紆余曲折ありながらも実現していく。
まるで建築の書籍で言えば『粗い石』のセルフビルド版、目標が建物ではなく、主人公の豊かな
暮らしの獲得。奥さんをはじめとした家族と亀裂をつくリながらも、モノからでは得られない豊かさ
を見つけていく。セルフビルドを暮らしそのものにすることがいかに難しく、楽しいものかを伝
えてくれる一冊。
その中で主人公が美味しいエスプレッソを飲むために試行錯誤をしながらDIYで
エスプレッソマシンのカスタムを繰り返すのだけど、主人公がアドバイスを求めた
ミスタージャロピー(DIYのカリスマ的な人)の製品に対するメーカーフレンドリーという
理想が面白い。その中の一部はこんな感じ。
・ユニットごとではなく個々の部品が交換できること
・よほどの理由がない限り特殊工具に頼らないこと
・修理のしやすさはおまけでなく、基本設計の理想とすること。
言ってみたら製品の標準化なのだけど、その標準化がどのユーザーもおしなべて家電などの製品
を特別な技術を必要とする事なく、カスタムや修理ができるように考えているところが面白い。
建築で言えば流通やコストありきの標準化が普通だけども、DIYやセルフビルドありきの標準化
がもっとあってもいいはず、それが設計者に求められる専門性であればユーザーフレンドリーな
建築がもっと増えてくるはず。そんな理想がいっぱいの楽しい本でした。