朝から平塚のホームセンターユニディーへ(西湘には意外とホームセンター多い)、
久しぶりのホームセンターでゆっくりと店内を廻る。DIY・セルフビルドコーナー
がわりと広く設けられつつも
専門業者が購入するような道具や、材料のラインナップも充実
するという、ただの日曜大工では腕を持て余すような人が一歩専門工事
に簡単に踏み込めるような商品構成が目につきました。
建築工事の専門性の垣根を低くしている(見せている)大元は
このホームセンターで間違いないでしょう。
私はに自分で工事をするのはそんなに得意ではないのですが
道具を手にすると「なんか出来そうだよね」とそんな感覚になるのです。
男心を巧みに刺激しDIYのプレイヤーを増やす仕組みに満ちています。
メディアでいくらDIYを煽ろうとホームセンターでの実体験には適わないのです。
建築の工事の内訳をおおまかに分類すると材料と、工事の2つの分けられます。
当然どちらが欠けても工事が成立しないもので、建築工事の見積でも材料と工事
の2つで構成されています。予算がオーバーしているから材料を施主側が用意を
し、工事は工務店側でよろしく!とはにならないように、この
「材」と「工」は離れられないコンビです。見積もりの金額を下げたい
からと材料や工事を切り離すと後々の責任区分の問題に発展するのが目に見え
るために工事を請け負う工務店側はそれを嫌います(私もそれはお勧めしません)
キッチンはお客さんが仕入、組み立ては工務店などと工事をし、万が一水漏れ
が発生した場合、問題がキッチンそのものか、それとも工事の仕方が悪かったの
がどちらに責任があるかから話が始まり、本来すべき水漏れ修理になかなか
及ばなくなるのです。こうなると施主側にとっても全く良い話はなくなってしま
うのです。材と工で出来上がる建築ですが、このシステムでもっと自由でよい
建築工事にしがらみと不自由さも与えてしまっているのです。
そして最初のホームセンターの話ですが、このDIY・セルフビルドのムーブメントの
受皿となっている理由は、この材と工の両方を抱えている点にあると思います。
卸を通さない販売ですのですので材料は安く、道具は購入でき工事は自分で行う。
問題があれば自分で治せばよい。仕上がりはいまいちでも自分で施工をしたのだ
から納得できる。この建築工事の単純明快さは残念ながら専門工事のフィルタを
通すととたんになくなります。
ホームセンターのような場所がふるいになり建築工事の無駄を明るみにしている
ようですね。これからは今まで守られてきた建築専門性の壁がDIY・セルフビルドを
通じなくなっていくのが一つの流れになりそうです。とりこみながらもどう新しい
マネジメントをしていくかが工務店・設計事務所のこれから課題になっていくでしょう。