上野の西洋美術館へ
埼玉の現場の帰りに上野の西洋美術館まで、展示は近代建築の巨匠、コルビュジェの絵画を中心とした芸術活動の記録。建築や都市計画ばかりが注目されがちですが、建築も含めた総合芸術家として、コルビュジェは建築家として世に出るまでにフランスで活動をしていたみたいです。
科学が法則に基づくのと同様に、芸術にも普遍的な規則性を見出すピュリスム(純粋主義)を主張し、その主義に基づき製作、発表を重ねていたようです。コルビュジェの建築や思想は、このピュリスムが根幹にあるのですね。
この思想が建築が建築や都市に機能性、合理性をもたして、さらに、産業革命以降の建築の工業化によって、その建築が増殖して都市を作り上げた。石や木で造られていた建築から鉄・コンクリートで造られ始めたのはここ100年のこと、建築史から見ればほんの僅かな時間だけれども、そこから造られた建築は近代以降の普遍的な様式として残っていくのだろう。もちろんん全てではないけれども、当たり前のようにある建築や都市が造られたのは、ピュリスムの思想が端を発しているストーリを考えながら、さらに出版物や(絵の良さはよくわからなかったけれども)絵画としてその思想を見ることができたのがとても面白かった。
そして西洋美術館の天井の低いエントランスからの展示室までの空間構成はいつ来てもシビれますね。
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