アルヴァアアルトの建築
こんにちは、先日は所用で鎌倉に行ったタイミングで葉山の近代美術館までアルヴァアアルト展を見に行きました。学生時代から知っていた建築家で、ゼミの先生も口角泡を飛ばしながらその建築の素晴らしさについて語ったのを見て、凄い建築家なんだなと図書館で作品集やスケッチを見ていたのを思い出す。
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当時から印象に残っている建築がカレという画商ための住宅(メゾン・カレ)で、カッコイイ建築に目を奪われていた学生の時にはあの大屋根に惹かれ、格好ばかりを真似をし、肝心のプランと整合が取れないというカッコイイことがカッコ悪い建築ばかりを設計していました。そして建築を仕事にしてからもその住宅のすごさが良く見えてきて、玄関からホールに入り、曲面の天井で緩やかに空間がつながる断面や、各部屋のプランの面積のバランスなど、建築をやればやるほどその良さが見えてくるのです。

建築家の真心を手仕事が支える
今回の葉山の近代美術館の展示でも展示はされており、その中でまた印象に残る場所が、エントランスに庇を支える鉄の柱があるのけども、そこには十字の方向に、角が丸く加工され、下部が細くなっている、優しいのだけどスタイリッシュな木が取り付けられているのです。 直接触れる場所でないしろ、触れることもできる場所。鉄の触れた感覚が想像できる場所にこの設えこそ建築家の真心と言えるのでしょう。
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時間とともに目につく場所が変わる味わいのある建築なのです。人に近い所に真心があり、手仕事がそれを形にする、そんな建築だから長いこと人に愛されてきているのですね。

真心が詰まった住宅建築 西湘の工務店機能をもつ設計事務所 テノアト設計工舎 岸田壮史